!第十七回 火难水难(17-2)
族をなくした。それでこの街に来た」 「境遇が似ていたので、话が合ったのね」 萍鹤が纳得する。 「なるほろ。萍鹤ちゃんは、あたまいいねえ」 李秀はべろべろになっている。 急に韦桥が、目を光らせて言った。 「行き场の无くなった俺たちは、山贼にでもなってやろうって话をしていたんだ。ちょうどこの辺りには、八公山の秦典枢ってのがいると闻いている」 萍鹤ははっとしながらも、落ち着いた声で言った。 「……秦典枢は、官军と戦って没したわ。つい昨日のことよ」 「なんだって!」 二人の男は、大声で叫ぶ。 「畜生、俺たちはどこまで运が无いんだ。山贼にすらなれないのか」 泣き崩れる韦桥の背を、解山开が叩く。 「いや、こうなったら、俺たち二人で旗扬げしよう。明日になったら、この辺りの金持ちを袭ってやる」 足元をふらつかせながら、李秀が立ち上がった。 「そんな物騒なこと、あたしたちも混ぜなさい!」 「李秀、饮み过ぎよ。お暇しましょう」 萍鹤がなだめて、李秀を部屋に连れ帰る。各々はそれぞれ眠り、喧噪な夜は终わった。